決算変更届は毎年事業年度(決算期)経過後4か月以内に届けなければなりません。
ではさっそく決算報告届(法人)においての書き方を説明していきたいと思います。
変更届出書
※1 申請する年月日を記載する。
※2 許可番号は建設業許可取得時に得られる建設業許可通知書に記載がある。またインターネットにて国土交通省の建設業者の検索サイトでも確認ができる。
※3 本店の所在地、法人名、代表取締役を記載する。
※4 申請時の申請場所の都道府県知事の氏名を記載する。(ネットなどで検索する)
※5 法人においては決算期を自由に決めることが可能であるため任意であるため会社設立時に定めた決算期となる。(わからなければ定款に記載がある。)
※6 法人(法務局において会社登記等をしている)においては
- (1)工事経歴書
- (2)工事施工金額<直前3年の各事業年度における工事施工金額>
- (4)貸借対照表及び損益計算書
- (5)株主資本等変動計算書及び注記表
- (6)事業報告書
- (7)附属明細書
- (8)事業税納付済額証明書
において丸を付ける。事業税納付済証明書(納税証明書)は役所にて取得し綴じこまないで添付する。
なお、当該事業年度にて
- 使用人数の変更があったとき
- 健康保険等の加入状況の変更があったとき
- 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表に変更があったとき
- 定款に変更があったとき
は毎事業年度経過後4か月以内に申請する必要があるため決算変更届と同時に申請する。
工事経歴書
工事経歴書1
※1 「工事経歴書」は一業種づつ申請するため一の業種名。(許可を受けている業種すべて作成)
※2 経営事項審査を受審する場合は、免税事業者を除き税抜きで作成する。
※3 請け負った一つの契約ごとに、請負契約の相手方の商号又は名称を記入する。金額が少なくても複数の請負をまとめて記入しない。施主(注文者)のプライバシーのため注文書の氏名は記載しないで「A」「B」「C」と記載する。
※4 「元請」とは施主から直接受注したもの。「下請」とは他の建設業者が請け負った工事の一部を請け負ったものという。
※5 共同企業体(JV)として行った工事についてはJVと付記する。
※6 工事請負契約書などの工事名称をもとに業種がわかるように具体的に記入。
※7 施工場所を都道府県及び市区町村にて記載。
※8 配置技術者を記載。
※9 主任技術者とは一般建設業の専任技術者の要件を満たした者が工事現場ごとに必要。
※10 監理技術者とは特定建設業の専任技術者の要件を満たした者が工事現場ごと必要。
※11 請負代金の額を千円単位で記入する。なお変更契約がある場合は、変更後の金額を記入する。工事進行基準が適用されている場合は、その完成工事高を括弧書きで計上る。
※12
- 「土木一式工事」→「プレストレストコンクリート(PC)鋼構造物工事」
- 「とび・土工工事」→「法面処理工事」
- 「鋼構造物工事」→「鋼橋上部工事」
上記業種について作成する場合は、右の特殊工事についても、請負代金の額を内訳として記入する。
※13 契約書の着工日ではなく、実際に工事に着手したときを記入する。
※14 「工事完成基準」が適用されている場合は、直前決算の事業年度内の年月となる。なぜなら工事完成時に請負代金が計上されるため。
※15 「未成工事」は請負代金には計上しないが記載する必要がある。
※16 「小計」はページごとに計算し、「小計」欄に記入する。
補足 「直前」決算の事業年度の完成工事及び未成工事について記載する。そして「直前」決算とは税務署に確定振申告済みの決算期で直近のもの。決算期終了後2か月を経過した場合は当該期を「直前」と考える。
工事経歴書2
工事経歴書3
※1 ある業種について前年度に売り上げがない場合は「工事実績なし」と記載する。
直前3年間の各事業年度における工事施工金額
直前3年間の各事業年度における工事施工金額
※1 直前3年分の分を記載。
※2 上記、工事経歴書にも書いたように経営事項審査を受審する場合は、免税事業者を除き税抜きで作成する。
※3 許可を受けていない業種の建設工事で売り上げがあった場合、ここに記載する。売り上げがない場合は「0」と記載する。ここが「0」の場合は専任技術者になるために必要な「実務年数」を許可業種以外で取得することはできない。
※4 すでに許可を受けている建設業の種類について記載する。
※5 各種類の業種の合計は上記「工事経歴書」で作成した小計と一致すること。
※6 業種が5種類を超えてあり、複数枚に記載を要するときは最終ページに「その他の建設工事の施工金額」を記載する。
※7 損益計算書(この申請で作成するもの)の完成工事高、また「工事経歴書」の合計と一致する。また業種毎の計の数値がそれぞれ切り捨て等により千円単位としているため、縦横の計と一致しない。
貸借対照表(法人用)
貸借対照表は確定申告で作成した決算報告書を基に作成していきます。原則として下記「貸借対照表4」以下にある「記載要領」を基づいて記載します。
貸借対照表1
※1 貸借対照表とは決算書類の一つであり確定申告において提出する書類の一部である。資産の部、負債の部、純資産の部で構成される。
※2 当該年月日の時点における静的な状態を示す。
※3 原則として、金額は千円単位で記載する。ただし、最終事業年度の決算において資本金5億円以上または負債200円以上(いわゆる「大会社」)においては「百万円」単位で記載する。
※4 流動資産(原則、一年以内に売却される資産)において親会社の株式を所有する場合、その株式が総資産の100分の5を超えない場合は「有価証券」の欄に超える場合は別途「親会社株式」の科目を作って勘定する。
貸借対照表2
※1 勘定科目の「関係会社株式・関係会社出資金」についていずれか一方のみが計上される場合には「関係会社株式」又は「関係会社出資金」の一個において記載する。
貸借対照表3
※1 上記貸借対照表2の「資産合計」と「負債純資産合計」は一致しなければならない。
貸借対照表4
貸借対照表5
上記の説明と重複するところがありますが、「貸借対照表4,5」の「記載要領」を簡単にしてみました。
原則として、金額は千円単位で記載する。ただし、最終事業年度の決算において資本金5億円以上または負債200円以上(いわゆる「大会社」)においては「百万円」単位で記載する。
兼業の場合において、兼業の営業取引にかかる資産も適当な勘定科目を用いて別個に記載する。ただしその資産が総資産の100分の5以下であれば、同一の性格の科目に含めて記載することができる。
流動資産(原則、一年以内に売却される資産)において親会社の株式を所有する場合、その株式が総資産の100分の5を超えない場合は「有価証券」の欄に超える場合は別途「親会社株式」の科目を作って勘定する。
資産の部(左側)において「その他」に属する資産でもその資産が総資産の100分の5を超えるものは当該資産を具体的な勘定科目をもって記載することが必要。
資産の欄における「材料貯蔵品」「短期貸付金」「前払費用」「特許権」「借地権」「のれん」、負債の欄における「未払金」「未払費用」「預り金」「前受収益」「負ののれん」は、総資産の100分の5以下であるとき、それぞれ流動資産の「その他」に、無形固定資産の「その他」に、流動負債の「その他」に含めて記載することができる。
勘定科目の「関係会社株式・関係会社出資金」についていずれか一方のみが計上される場合には「関係会社株式」又は「関係会社出資金」の一個において記載する。
「のれん」の金額及び「負ののれん」の金額については、その差額のみを「のれん」又は「負ののれん」として記載する。
上記は「株式会社」を原則としているが持分会社(合同会社、合資会社、合名会社)の場合は、「株主資本」は「社員資本」、「新株式申込証拠金」とあるのは「出資金申込証拠金」として記載する。「資本剰余金」及び「利益剰余金」については、「準備金」と「その他」に区分しての記載を要しない。
その他利益剰余金または利益剰余金合計の金額が負となった場合は、マイナス残高(例:△1111)として記載する。
損益計算書
損益計算書1
※1 原則として、金額は千円単位で記載する。ただし、最終事業年度の決算において資本金5億円以上または負債200円以上(いわゆる「大会社」)においては「百万円」単位で記載する。
※2 「完成工事高」とは建設業許可の事業によって得られた売上げである。また「工事経歴書」の合計及び「直前3年の各事業年度における工事施工金額」の最終年度の合計と一致してなければならない。
※3 「兼業事業売上高」とは建設業以外の事業を慌て営む場合における当該建設業以外の事業をいう。たとえば「不動産業」「産廃業」「介護事業」などの兼業がある。2以上の兼業事業を行う場合はその総計を記載する。兼業事業の売上高に占める割合が軽微な場合においては「売上高」「売上原価」「売上総利益(売上総損失)」を建設業と兼業事業とに区分して記載することを要しない。
※4 「完成工事原価」は下記記載の「完成工事原価報告書」の合計と一致しなければならない。
※5 「雑費」に属する費用で販売費および一般管理費の総額の10分の1を超えるものについては、具体的な勘定科目を用いて記載する。
損益計算書2
※1 「その他」に属する収益で営業外収益の総額の10分の1を超えるもの、または費用で営業外費用の総額の10分の1を超えるものについては、具体的な勘定科目を用いて記載する。
※2 「前期損益修正益」「前期損益修正損」の金額が重要でない場合においては、特別利益の「その他」に含めて記載することができる。
※3 「特別利益」「特別損失」における「その他」は原則、具体的な勘定科目を記載する。例外的にその金額が重要でない者については、当該利益を「その他」に含めることができる。
完成工事原価報告書
完成工事原価報告書
株主資本等変動計算書
株主資本等変動計算書
注記表
注記表1
注記表2
注記表3
附属明細表
附属明細表は資本金が1億円を超える株式会社及び貸借対照表の負債合計金額が200億円以上の業者が提出する必要がある。
附属明細表1
附属明細表2
附属明細表3
事業報告書
事業報告書は株式会社(個人事業主、又は持分会社における決算報告には不要)が決算報告するときに必要となる書面です。ただしほとんどの都道府県では事業報告書の雛形は用意していないので任意に作成ことが必要となります。兵庫県において雛形があったのでそれをもとに例示してみました。
- 許可番号
- 商号
- 事業内容(兼業も含む)
- 職員数(役員や営業職員、技術職員等に振り分けて記載)
- 主な注文者、下請業者(商号、所在地)
- 直前3年の推移を売上げ、完成工事高、当期純利益ごと記載し、伸び率を計算(計算式は下記の事業報告書に記載)し記載する。
- 当期の実績
- 次期の業績の見通し
がかけていれば問題ないと思われます。
ワードやエクセル、パワーポイント等で形式はどんな形でもいいので、上記で示した内容を含んだ書類を作成します。
納税証明書
★納税証明書(事業税)を役所から取得し綴じこまず提出する。