生活保護の種類と保護の方法
生活保護の種類には、生活保護法第12条から第18条に規定する次の8種類があります。
実際の扶助は、要保護者(保護を必要とする状態にある者)の必要に応じて、次の8種類の中のいずれか一つ(単給)又は二つ以上(併給)が行われます。
例えば、食費や住宅費を月々もらっていても病気や介護が必要となればプラスして公費を受け取ることができます。
① 生活扶助(生活保護法第12条)食費、衣類、光熱費のような費用
② 教育扶助(生活保護法第13条)義務教育に必要な費用
③ 住宅扶助(生活保護法第14条)家賃や修繕費のような費用
④ 医療扶助(生活保護法第15条)病気やけがの治療の費用
⑤ 介護扶助(生活保護法第15条の2)介護に必要な費用
⑥ 出産費用(生活保護法第16条)出産のための費用
⑦ 生業扶助(生活保護法第17条)職業に必要な技能の習得などの費用
⑧ 葬祭扶助(生活保護法第18条)葬儀のための費用
いずれの扶助も、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、生活保護法に規定する事項の範囲内において行われます。
上記の8種類の扶助の中の医療扶助(医療券によるため)と介護扶助(介護券によるため)以外の扶助については、金銭給付(金銭扶助)を原則としています。
例外的に、金銭給付によることができない場合、適当でない場合又は保護の目的を達するために必要がある場合は、適当でない場合又は保護の目的を達するために必要がある場合は、現物給付(金銭給付以外の給付)によって行います。
例えば、生活扶助で寝具の現物給付をする場合もあります。
医療扶助と介護扶助については、現物給付を原則としています。
ただし、現物給付によることができない場合、適当でない場合又は保護の目的を達するために必要がある場合は、金銭給付によって行います。
例えば、通院の交通費のような現物給付のできない場合は金銭給付によります。
保護の方法には、上記の8種類の扶助のほかに、
次の
① 救護施設…身体上又は精神上著しい生涯があるために日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させて生活扶助を行うことを目的とする施設
② 厚生施設…身体上又は精神上著しい生涯があるために日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させて生活扶助を行うことを目的とする施設
③ 医療保護施設…医療を必要とする要保護者に対して医療の給付を行うことを目的とする施設
④ 授産施設…身体上若しくは精神上の理由又は世帯の事情により就業能力の限られている要保護者に対して就労又は技能の修得のために必要な機会及び便宜を与えて、その自立を助長することを目的とする施設
⑤ 宿所提供施設…住居のない要保護者の世帯に対して住宅扶助を行うことを目的とする施設
のいずれかの「保護施設」を設置することができるのは、都道府県、市町村、地方独立行政法人、社会福祉法人、日本赤十字社に限られます。
生活保護の主な内容
生活扶助は、次に掲げる事項の範囲内において行われます(生活保護法第12条)
① 衣食その他日常生活の需要を満たすために必要なもの ※住宅費は別に計算
② 移送(例えば、要保護者を保護施設などに入所させるための移送費)
教育扶助は、次に掲げる事項の範囲内において行われます(生活保護法第13条)
① 義務教育に伴って必要な教科書その他の学用品
② 義務教育に伴って必要な通学用品
③ 学校給食その他義務教育に伴って必要なもの
※教育扶助は、義務教育の費用に限られていますから(高校は義務教育ではない)、高校の就学費用は生業扶助の技能習得費用として支給されます。
住宅扶助は、次に掲げる事項の範囲内において行われます(生活保護法第14条)
① 住居
② 補修その他住宅の維持のために必要なもの(賃貸借では賃貸人に補修義務があるため持ち家に限ります。)
医療扶助は、次に掲げる事項の範囲内において行われます(生活保護法第15条)
① 診察
② 薬剤の又は治療材料
③ 医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術
④ 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
⑤ 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
⑥ 移送(入院や通院のための移動費用)
※ 原則、通常の健康保険で賄われる範囲内の医療を受けることができます。
⑥の移送は健康保険では賄われませんが医療扶助として受給できます。
介護扶助は、次に掲げる事項の範囲内において行われます(生活保護法第15条の2)
① 居宅介護(居宅介護支援計画に基づいて行うものに限ります)
② 福祉用具
③ 住宅補修
④ 施設介護
⑤ 介護予防(介護予防支援計画に基づいて行うものに限ります)
⑥ 介護予防福祉用具
⑦ 介護予防住宅改修
⑧ 移送(施設その他への移動)
出産扶助は、次に掲げる事項の範囲内において行われます(生活保護法第16条)
① 分べんの介助
② 分べん前及び分べん後の処置
③ 脱脂綿、ガーゼその他の衛生材料
生業扶助は、次に掲げる事項の範囲内において行われます。ただし、これによって、その者の収入を増加させ、またはその自立を助長することのできる見込みある場合に限られます(生活保護法第17条)
① 生業に必要な資金、器具又は資料
② 生業に必要な技能の修得(高校就学、専門学校の費用も含まれます)
③ 就労のために必要なもの(就職の支度に必要な洋服、靴その他の費用)
葬祭扶助は、次に掲げる事項の範囲内において行われます(生活保護法第18条)
① 検案(診療をしていない者の死亡を受けている者)
② 死体の運搬
③ 火葬又は埋葬
④ 納骨その他葬祭のために必要なもの
しかし、次に掲げる場合において、その葬祭を行う者がある場合には、その者(例えば、近所の人)に対して葬祭扶助が行われます。
(a) 被保護者(現に保護を受けている者)が死亡した場合に、その者の葬祭を行う扶養義務者がいない場合
(b) 死者に対しその葬祭を行う扶養義務者がいない場合において、その遺留した金品で、葬祭を行うに必要な費用を満たすことだできない場合
※生活扶助、住宅扶助を原則としその他6つの扶助はそれぞれのタイミングが来た時点で受給することになります。


