15.住宅扶助の内容

住宅扶助とは

 住宅扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、次に掲げる事項の範囲内において行われます(生活保護法14条)

①住居

②保守その他住宅の維持のため必要なもの

 住宅扶助の対象となるのは、①住居の確保と②住宅の補修ですが、①住居の確保とは、家賃・地代のような金銭給付や宿泊施設の利用のような現物給付をいいます。②住宅の補修とは、家屋の破損により最低生活の維持に支障をきたすような場合に顔香を修繕したり、畳、建具、水道設備、配電設備その他の設備の修繕をいいます。

住宅扶助の内容

住宅扶助の基準額は次の通りです。

①1級地及び2級地の
(a)家賃・間代・地代等の月額は13,000円以内
(b)補修費等住宅維持費の年額は12,000円以内

②3級地の
(a)家賃・間代・地代等の月額は8,000円以内
(b)補修費等住宅維持費の年額は12,000円以内

 上記の家賃・間代・地代等は、居住する住居が借家若しくは借間であって家賃や間代等を必要とする場合、又は居住する住居が自己の所有に属し、且つ住居の所在する土地に地代等を要する場合に支給されます。上記①または②基準額を超える場合には、都道府県、指定都市または中核市ごとに厚生労働大臣の定める額の範囲内の額とされます。

住宅扶助の方法は次の通りとなります(生活保護法第33条)

①住宅扶助は、
「金銭給付」
によって行うことを原則としています。
ただし、例外として、
(a)これによることができない場合
(b)これによることが適当でない場合
(c)その保護の目的を達するために必要がある場合
は、現物給付によって行うことができます。

②住宅扶助のうち、住居の現物給付は、宿所提供施設を利用させ、又は宿所提供施設にこれを委託して行うものとします。ただし、被保護者の意思に反して入所を強制すること事はできません。

③住宅扶助のための保護金品は、世帯主又はこれに順ずる者に対して交付するものとしています。

被保護者が次の例のような場合で「転居に際し敷金等を必要とする場合」には住宅扶助として支給されます。

①入院患者が実施機関の指導に基づいて退院するに際し記住する住居がない場合

②実施機関の指導に基づき現在支払われている家賃又は間代よりも低額な住居に転居する場合

③退職等により社宅等から転居する場合

④老朽または破損により居住に堪えない状態になったと認められる場合

⑤離婚により新たに住居を必要とする場合