葬祭扶助とは
葬祭扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、次に掲げる事項の範囲内において行われます。(生活保護法第18条1項)
① 検案
② 死体の運搬
③ 火災又は埋葬
④ 納骨その他葬祭のために必要なもの
①の「検案」とは、医師の診療中の患者でないものが死亡した場合などに、その死体について死因その他の医学的検査をすることをいいます。この場合は「死体検案書」が作成されます。
③の「火葬」とは、遺体を葬るために火葬場で焼くことをいいます。「埋葬」とは、遺体を葬ることを(土葬)をいいます。
④の「納骨」とは、焼骨を収蔵することをいいます。「その他埋葬のために必要なもの」には、例えば、棺、骨壺、位牌、祭壇、読経、死亡診断書があります。
葬祭扶助は、次に掲げる場合において、その葬祭を行うものがある場合は、その者に対して葬祭扶助を行うことができます(生活保護法第18条2項)。
① 被保護者が死亡した場合において、その者の葬祭を行う扶養義務者がない場合
② 死者に対しその葬祭を行う扶養義務者がない場合において、その遺留した金品で、葬祭を行うに必要な費用を満たすことのできない場合
葬祭扶助の内容
葬祭扶助の方法は次の通りとされています(生活保護法第37条)。
① 葬祭扶助は、
「金銭給付」
によって行います。
ただし、例外として、
(a)これによることができない場合
(b)これによることが適当でない場合
(c)その他保護の目的を達するために必要がある場合
は、「現物給付」によって行うことができます。
※ 実務では、現物給付による福祉事務所が葬祭業者に直接支払う委任払い方式が一般的です。
② 葬祭扶助のための保護金品は、葬祭を行うものに対して交付します。
葬祭扶助の一般基準の基準額は、次の通りとなっています。
別表第8 葬祭扶助基準
Ⅰ 基準額
| 級地別 | 基準額 | |
| 大 人 | 小 人 | |
| 1級地及び2級地 | 212,000円以内 | 169,600円以内 |
| 3級地 | 185,500円以内 | 148,400円以内 |
Ⅱ 葬祭に要する費用の額が基準額を超える場合であって、葬祭地の市町村条例に定める火葬に要する費用の額が次に掲げる額を超えるときは、当該超える額を基準額に加算する。
| 級地別 | 大 人 | 小 人 |
| 1級地及び2級地 | 600円 | 500円 |
| 3級地 | 480円 | 400円 |
Ⅲ 葬祭に要する費用の額が基準額を超える場合であって、自動車の料金その他下の運搬に要する費用の額が次に掲げる額を超えるときは、23,060円から次に掲げる額を控除した額の範囲内において当該超える額を基準額に加算する。
| 級地別 | 金額 |
| 1級地及び2級地 | 15,580円 |
| 3級地 | 13,630円 |
① 証人について一般基準額を超える場合は大人の基準額を適用します。
② 扶養義務者のない場合に葬祭を行うものには1,000円を加算します。
③ 死亡診断又は死体検案の費用が5,250円を超える場合は、超える額を加算します。
④ 火葬又は埋葬を行うまでの間、死体を保守するための特別な費用は実費に加算されます。

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