法務局による関係遺言書保管通知
法務局は、遺言書を保管している旨を遺言者の相続人等に通知する場合があります。
「通知」がされる場合
法務局は、下記の場合において、遺言者の相続人等に関係遺言書を保管している旨を郵便等にて通知(関係遺言書保管通知)します。(法9条5項、省令48条参照、政令9条4項)
1 遺言書情報証明書を交付したとき
2 関係相続人等に、関係遺言書の閲覧をさせたとき
3 関係相続人等に、関係遺言書について、遺言書保管ファイルに記録させた事項を表示したものを閲覧させたとき
「関係遺言書保管通知」の相手
法務局が上記の場面で通知するのは、次の者に対してです(法9条5項)。
・遺言者の相続人
・関係遺言書に係る受遺者及び遺言執行者
・民法781条2項の規定により認知する者とされた子等(「巻末資料」116貢、関係相続人等の法9条1項2号(イを除く。)及び3号(イを除く。))
なお、次の者が関係遺言書が保管されていることをすでに知っている場合は、この通知はされません。(法9条5項ただし書き、省令48条参照)。
特別の場合は、申請書・撤回書等の閲覧も可能
特別の事由がある場面(下記に記載)では、遺言者等は、遺言者が遺言書保管所に提出した申請書等の閲覧を請求することが可能です。
申請書等の閲覧
遺言者は、遺言書の保管申請又は住所等の変更届出(まとめて「申請等」といいます)をした場合、特別の事由があるときは、当該申請等をした法務局に対して、次の書類の閲覧の請求ができます。(政令10条1項)
なお、閲覧の請求時は請求書と添付書類(省令50条)、手数料1,700円が必要です。
・その申請等に係る申請書若しくは届出所又はその添付書類(まとめて「申請書等」といいます)
遺言者がこの請求をする場合、法務局に自ら出頭して行う必要があり、更にはその際に本人確認がされます(省令10条6項)。本人確認のため、本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証等)が必要です。
遺言者が死亡している場合
申請等をした遺言者が死亡している場合、特別の事由があるとき(下記に記載)は、次の者は申請書等の閲覧を請求することが可能です(政令10条3項)。
1 当該遺言者の相続人
2 関係相続人等(相続人に準ずる者)
3 申請書又は届出書に記載されている受遺者又は遺言執行者
撤回書等の閲覧
遺言者は、遺言書の保管申請を撤回することが可能です。(法8条1項)
遺言者は、この場合において、特別の事由があるときは、当該撤回がされた法務局に対して、その際の撤回書又はその添付書類(撤回書等)の閲覧を請求することができます。(政令10条2項)
なお、閲覧の請求時は請求書と添付書類(本人確認書類等)、手数料1,700円が必要です。
遺言者がこの請求をする場合、法務局に自ら出頭して行う必要があり、さらにはその際に本人確認がなされます(政令10条6項)。
本人確認には、マイナンバーカードや運転免許証等が必要です。
遺言者が死亡している場合
遺言書の保管申請を撤回した遺言者が死亡している場合、特別の理由があるときは、次の者は撤回書等の閲覧を請求することが可能です(政令10条4項)
1 当該遺言者の相続人
2 当該遺言書に記載されていた受遺者又は遺言執行者
特別の事由とは
遺言書の申請書等や撤回書等を閲覧できるのは、「特別の事由」がある場合です。
特別の事由は、下記にある閲覧の請求書の下部に記載する欄があり、それが特別の事由にあたるかどうかは、個別具体的に判断されます。
つまり、法務局が閲覧させるかどうかの判断を下すことになります。
※ 下記は「申請書等の閲覧の請求書」という申請書の「2枚目」になります。
「閲覧を請求する特別の事由」の欄に「なりすましによって遺言書の保管の申請された可能性があり、申請書等の原本を確認する必要があるため」と例示しました。



