相続の流れと基礎知識
相続とは
両親などの家族が亡くなった場合、一定の身分関係にある人が亡くなった人の財産上の権利や義務を引き継ぐことになります。
これを相続といいます。
相続においては、次のような呼び方をします。
- 被相続人
亡くなった人のこと - 相続人
被相続人の財産や義務を受け継ぐ人のこと
相続では、預貯金や不動産などの財産だけでなく、借金などの義務も引き継ぐことになる点に注意が必要です。
相続手続きの流れ
被相続人が遺言書を残していない場合、相続手続きは一般的に次の流れで進みます。
① 戸籍謄本の収集
まず、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本)を収集し、誰が相続人であるかを証明します。
② 相続人全員で遺産分割を話し合う
相続人全員で、財産の分け方や借金の負担方法について話し合います。
この話し合いを遺産分割協議といいます。
③ 遺産分割協議書の作成
話し合いがまとまったら、内容をまとめた遺産分割協議書を作成します。
この書類には
- 相続人全員の実印
- 相続人全員の印鑑証明書
が必要になります。
※法務局や銀行で確実に使える書類にするため、
司法書士・弁護士・行政書士などの専門家に作成を依頼するケースも多いです。
④ 相続手続きを行う
次の書類を揃えて各機関で手続きを行います。
必要書類
- 被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本
- 相続関係が分かる戸籍謄本
- 遺産分割協議書
- 相続人全員の印鑑証明書
これらを使って
- 不動産 → 法務局
- 預貯金 → 銀行
で名義変更などの手続きを行います。
注意点
遺言書がない場合、
相続人全員の実印と印鑑証明書が揃わないと相続手続きは進められません。
そのため、相続人の一人でも協力しないと手続きが止まることがあります。
- 相続では財産だけでなく借金も引き継ぐ
- 相続手続きでは戸籍の収集が必要
- 相続人全員の実印と印鑑証明書が必要
相続財産になるもの・ならないもの
相続財産になるもの
原則として、被相続人の財産はすべて相続の対象になります。
主な例
- 不動産(土地・建物)
- 預貯金
- 有価証券
- 現金
- 自動車
- 動産(家具など)
- 賃借権
また、借金などの負債も相続の対象になります。
例
- 借入金
- 未払い税金
- ローン
もし
借金が財産より多い場合
には、相続放棄をすることも可能です。
相続財産にならないもの
次のようなものは相続財産になりません。
一身専属権
本人だけに帰属する権利のため相続できません。
例
- 年金受給権
- 生活保護受給権
- 国家資格
- 労働者としての地位
生命保険の死亡保険金
死亡保険金は受取人の固有財産になります。
例えば
夫 → 妻を受取人
にしていた場合、死亡保険金は妻だけの財産になります。
他の相続人と分ける必要はありません。
ただし、相続税の計算上は課税対象(みなし相続財産)となります。
祭祀財産
祖先を祀るための財産は相続財産ではありません。
例
- 仏壇
- 位牌
- 墓石
- 墓地
これらは被相続人が指定した人が引き継ぎます。
指定がない場合は慣習や家庭裁判所の判断で決まります。
相続人は誰になるのか
相続人は民法で決められています。
これを法定相続人といいます。
配偶者は必ず相続人になる
配偶者(夫・妻)は必ず相続人になります。
配偶者に加えて、次の血族相続人が順位によって相続人になります。
血族相続人の順位
第1順位 子(直系卑属)
被相続人の子は相続人になります。
含まれるもの
- 実子
- 養子
- 胎児
- 認知された非嫡出子
もし子が先に亡くなっている場合は、
その子ども(孫)が相続人になります。
これを代襲相続といいます。
第2順位 親(直系尊属)
子や孫がいない場合、
被相続人の親が相続人になります。
親が亡くなっている場合は
- 祖父母
- 曾祖父母
の順で相続人になります。
第3順位 兄弟姉妹
子も親もいない場合、
被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。
兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は、
その子(甥・姪)が相続人になります。
ただし兄弟姉妹の場合は
代襲相続は一代限りです。
- 配偶者は必ず相続人
- 血族相続人は
①子 → ②親 → ③兄弟姉妹
の順で相続人になる - 相続には代襲相続がある


