1-3-3.遺言執行者の役割と遺贈の方法|遺言書の基本をわかりやすく解説

遺言執行者は必要なのか

遺言執行者とは何をする人か

遺言執行者とは、遺言書の内容を実際に実行する人のことです。
名前のとおり、遺言を「執行(実行)」する人です。

例えば、遺言書に次のように書いてあったとします。

「不動産Aを友人Bに遺贈する」

この場合、実際に不動産を友人Bの名義に変えるためには、
法務局で**不動産の名義変更(登記)**をする必要があります。

しかし、遺贈の場合は、手続きを進めるときに
相続人の協力が必要になることがあります。

相続人が遺言の内容に納得していれば問題ありませんが、
場合によっては協力してくれないこともあります。

例えば、

  • 自分たちが財産をもらえなくなる
  • 遺言の内容に納得できない

このような理由で、手続きが進まなくなることもあります。

せっかく遺言書を作っても、
手続きが進まなければ意味がなくなってしまいます。

そこで、遺言の内容を確実に実行するために
遺言執行者を決めておくことがあります。

遺言執行者の選び方

遺言執行者は、遺言書の中で指定することができます。

例えば、次のように書きます。

「遺言者は、この遺言の遺言執行者として〇〇を指定する。」

遺言執行者に選ばれた人は、
必ずその役割を引き受けなければならないわけではありません。
本人が断ることもできます。

そのため、遺言執行者を指定する場合は、
あらかじめ本人の了承を得ておくことが大切です。


遺言執行者になれる人

遺言執行者は、特別な資格がなくてもなることができます。

例えば次のような人を指定することができます。

  • 家族
  • 信頼できる友人
  • 財産を受け取る人(受遺者)
  • 信託銀行
  • 弁護士や司法書士、行政書士などの専門家

ただし、法律では次の人は遺言執行者になることができません。

  • 未成年者
  • 破産している人

専門家である必要はありませんが、
実際の手続きでは不動産登記や銀行手続きなどがあるため、
専門家に依頼するケースも多くあります。

遺言執行者の主な仕事

遺言執行者は、相続が始まったあとに次のような仕事をします。

  • 遺言の内容を相続人に知らせる
  • 相続財産の一覧(財産目録)を作る
  • 手続きの状況を相続人に報告する
  • 不動産や預金の名義変更などの手続きを進める

そして、すべての手続きが終わったら、
その結果を相続人に報告します。

遺言執行者は必ず必要なのか

では、遺言執行者は必ず必要なのでしょうか。

結論としては、必ず必要というわけではありません。

例えば、財産が

  • 預金
  • 自宅の不動産

だけのような場合は、
相続人が協力すれば手続きを進めることができます。

しかし、相続人の仲があまり良くない場合や、
相続人以外の人に財産を渡す場合は、
遺言執行者を決めておいた方が安心です。

2.遺贈したいときの書き方

遺贈とは何か

遺言書では、相続人以外の人に財産を渡すこともできます。
このことを**遺贈(いぞう)**といいます。

遺言書で相続人に財産を渡す場合は
「相続させる」と書きます。

一方、相続人以外の人に渡す場合は
**「遺贈する」**という言葉を使います。

遺贈には2つの種類がある

遺贈には、大きく分けて次の2つがあります。

① 包括遺贈

財産を特定せず、割合で渡す方法です。

例えば次のような書き方です。

  • 財産の30%を遺贈する
  • 財産の3分の1を遺贈する

この場合、プラスの財産だけでなく、
借金などのマイナスの財産も
その割合で引き継ぐことになります。

② 特定遺贈

渡す財産を具体的に決める方法です。

例えば次のような書き方です。

「〇〇市の土地を友人Aに遺贈する」

このように、財産をはっきり決めて渡す方法です。

遺贈を受ける人の書き方

遺贈を受ける人は、
できるだけ正確に書くことが大切です。

例えば次のように書きます。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 住所

住民票などを見ながら、
一字一句正しく書くようにしましょう。

遺言執行者をつけておくと安心

遺贈をする場合は、
遺言執行者を決めておくことがとても大切です。

もし遺言執行者がいない場合、
不動産の名義変更や銀行手続きなどをするときに
相続人全員の協力が必要になります。

しかし、相続人の中に協力しない人がいると、
手続きが進まなくなる可能性があります。

そのため、遺贈をする場合は、
遺言執行者を決めておくほうが安心です。

遺贈の登記の費用

不動産を遺贈する場合は、
名義変更のときに登録免許税がかかります。

税率は次のとおりです。

相続人が相続する場合
→ 不動産評価額の 0.4%

相続人以外に遺贈する場合
→ 不動産評価額の 2%

つまり、相続人以外に遺贈する場合は
税金が高くなることがあります。

まとめ

遺言書では、相続人だけでなく
友人や団体などに財産を渡すこともできます。

ただし、その場合は

  • 遺贈の書き方
  • 遺言執行者の指定
  • 手続きの方法

などをきちんと考えておくことが大切です。

しっかり準備しておくことで、
相続のトラブルを減らすことができます。