法務局での遺言者の本人確認は厳格
法務局では遺言書の保管申請の際は厳しい本人確認が行われます。(法5条)
遺言書保管申請の際に本人の出頭(出向く)が必要になるのはこのためです。
写真付きの証明書と出頭した遺言者が同一人物である旨を、職員によって確認されます。
他人によって遺言者の真正の意思のない遺言書が保管申請されることがないようにするため本人確認を厳格に行います。
本人確認資料として認められるもの
本人確認の際は、次のいずれかのものを提示等することになります(法5条、省令13条1号)。
なお、下記に挙げたもの以外に、官公署発行のものであって、申請者の氏名及び出生年月日又は住所の記載があり、本人の写真が貼られたものであれば、遺言者保管官の判断で、本人確認資料として認められることがあります。(省令13条2号)。
1 個人番号カード
2 運転免許証(運転経歴証明書でも可)
3 氏名及び出生年月日の記載のある旅券等
4 在留カード
5 特別永住者証明書
本人確認ができなければ…
法務局は、
「申請が遺言者以外によるものであるとき、又は申請人が遺言者であることの証明がないとき」
は、保管の申請を却下しなければなりません(政令2条1項)。
本人確認ができないことが申請の却下事由であるということ、たとえば入院中の者が代理人を利用して申請することはできません。
そもそも、保管ができんかったとしても遺言の有効性には影響しないため当事者での保管をすることも可能ですし、また公正証書等による遺言で賄うことが可能です。
遺言書の保管の却下事由
法務局では、どのような場合でも遺言書の保管に応じてくれるわけではありません。
「却下事由」に該当すれば、遺言書の保管はしてもらえません。
遺言書の保管申請、却下事由は八つ
却下事由は次の通りです(政令2条各号)。これらに該当した場合、法務局は保管の申請を却下しなければなりません。
特別に難しいことではありませんが、簡単にいうと法務局の指示に従わなかったときくらいのことになるでしょう。
1 当該申請が遺言者以外の者によるものであるとき、又は申請人が遺言者であることの証明がないとき
2 当該申請に係る遺言書が、民法968条の自筆証書による遺言書でないとき、又は省令別記第1号様式に従って作成した無封のものでないとき
3 当該申請が管轄の遺言書保管所の遺言書保管官に対してされたものでないとき
4 申請書が提出されなかったとき
5 申請書に添付する書類が足りないとき
6 保管申請時に、遺言者自らが出頭しないとき
7 申請書又はその添付書類の記載が当該申請書の添付書類又は当該申請に係る遺言書の記載と抵触するとき
8 保管に必要な手数料を納付しないとき


